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アコウダイってどんな魚?
アコウダイは 深い海にいる超高級食材の一つです。大体 300m後半 〜500m 前半くらいで 釣りをします。アコウダイは キンメダイほどの群れは作らないので魚探では 地形を追って 釣りをすることになります。そんなアコウダイの生態を 簡単に紹介します。
アコウダイの生態

目 |
カサゴ目 Scorpaeniformes |
亜目 |
カサゴ亜目 Scorpaenoidei |
科 |
フサカサゴ科 Scorpaenidae |
属 |
メバル属 Sebastes |
類 |
アコウダイ S. matsubarae |
学名 |
Sebastes matsubarae Hilgendorf, 1880 |
和名 |
アコウダイ |
遠州灘では、<アコウ><アコウダイ> と呼ばれています。 地方により <アコ><メヌケ><メヌキ><アカウオ>などとも呼ばれています。文献等では <体長50cmほど・・・>とされています。 釣りにおいては、10kg近くという大型も確認されています。
普通の深海釣りでは 1kg前後〜5kgが多いです。体色は鮮やかな赤色で、背びれの棘は13本、卵胎生で 10万-30万個の卵 を体内で孵化させます。 孵化直後の幼魚は約4mm程度です。アコウダイは、 相模湾 や 駿河湾 に 多く見られますが、太平洋側は 青森県〜高知県沖、日本海側は 新潟県〜山口県沖 くらいまで生息が確認されています。
通常 水深500-700mの岩礁域に生息しているようですが、釣りでは400m前後から550m前後 を 狙います。12月 から 4月に かけてが繁殖期で、そのころに 水深200mほどの場所まで上がってきます。釣りのベストシーズンはこの時期になります。
釣り方は 深海胴付仕掛け で ハリ数は8本くらい から 15本くらい が一般的です。 地方により ハリ数規制などもあります。エサは イカの短冊が安価で一般的です。 他に アナゴ シャケ皮サバの切り身 秋刀魚の切り身 などが使われます。アコウ釣りの醍醐味は、なんと言っても <アコウ花>を咲かすことです。深海から上がってきたアコウダイは 水圧変化で水面に浮かび上がります。 ボカン ボカン と列をなして 水面に浮かんで来る様は あたかも海面に花が咲いたようです。
赤魚の名で流通していますが、アコウダイやサバといったように どこでも買えるわけではなく どちらかというと一般に出回ることの少ない部類といってよいでしょう。アコウダイの料理は幅広く、刺身、洗い、味噌漬、粕漬、塩焼、煮付け、椀だね などで 冬場の産卵を控えたアコウダイは 脂も乗って そのプリプリとした身質は まるで 鶏肉の様です。
アコウダイ釣りの道具と仕掛け
アコウダイ釣りには、<深海用>の釣り道具が必要です。 主な道具と 使い方をご紹介します。深海用の
<胴付き仕掛け>になります。狙うアコウの大きさなどで 針の大きさ や ハリスの太さの違うものが必要になります。その辺を もう少し詳しく紹介します。
アコウダイ釣り の 道具 と 仕掛け を 紹介します。 アコウダイ釣りの道具は、深海釣り用品です。 アコウダイ、キンメダイ、ムツ など 水深の深い釣りに 汎用性があります。

アコウダイ釣り用のロッドは、深海ロッドと呼ばれ、オモリ負荷表示が250号から500号くらいのものをいいます。
長さは 1.8m〜2.2m前後が使い勝手が良いでしょう。 アコウダイ釣りは なんといっても 底取りや根係の回避 が重要です。 先調子の竿がお勧めです。各地域の釣り方の違いなどもあり、市販のものでは調子が合わない場合も多く自作されたり、 オーダーメイドでカスタムロッドを作られる方も多いです。
アコウダイ釣り(深海釣り)は、大変 大きな負荷のかかる釣りです。 パイプ構造のロッドより グラスソリッド(=グラスの無垢) をお勧めします。



アコウダイ釣り用のリールは、深海用リールと呼ばれ、 最低でも 12V電源用で 12号〜14号前後を1000mくらい巻けるものが必要になります。 キンメダイよりも更に深く探ることになります。 現場でよく見かけるのが ミヤ COMMAND-CX9 SP(メーカーHP)から上位機種です。
最近 よく見かけるのは ダイワ マリンパワー です。ドラグ性能がかなり高いです。コマンドより 電力を多く必要としますが、静穏設計で、巻き上げ スピードも速く、トルクもあります。 浅場のアコウダイ釣り(350m〜450m)では、 糸巻き量が少なくてよい場合もあるのでミヤ コマンドX・8 や ダイワブル1000シリーズ クラス でも間に合います。

深海釣り(アコウダイ・アコウダイ)での、クーラー購入の目安としては, 70リットルから上をお勧めします。100リットルを超えるクーラーの場合 スペース的あるいは持ち運びの点で大きすぎる場合もあります。 そんな時は 例えば 40リットル前後クラスを2つ用意する。という手もあります。
港まで近距離であれば、少々 保冷力が弱くても 何とかなりますが、 遠距離の場合は、保冷力の強いクーラーをお勧めします。 大きさ と 保冷力 持ち運びなどの利便性を考えて 自分釣りに あっているものを選びましょう。
ロッドキーパー(竿受け)は必要です。また 小物用のロッドキーパー・竿受けでは無理があります。第一精工のラーク または ミヤマエのロボット が 一般的です。ラークの場合は ラーク16・18 クラス でも大丈夫ですが、 最強ラークなら更に安心できます。
船の装着場所なども考えて間違いのないロッドキーパーを選択してください ロッドキーパー装着時には、クランプで 船に固定される わけですが、 何があるかわかりません。必ず 尻手ロープロープ をつけてください。 太目であれば ロープ でも何でもかまいません。
ちなみに筆者は 幅1cmの組みひも を使っています。 (ちなみに ホームセンターで購入しました)
船によっては 毎投入ごと 新しい仕掛けを使う船もありますが、針掛けがあると 無駄な 仕掛けの浪費を抑えられます。
針掛けは 巻上げ時に 針を順次掛けておく <一時的な仕掛け置き場>であり また <投入器>の役目も果たします。
針掛けは廃材 や ホームセンター の部材 から 手作りもできます。 市販品を購入される場合、実績のある<ミヤマエのフックプレート>がお勧め。
販売量が少ないので、大手量販店さんでも在庫してない場合がありますまた 「楽天」で出品しているお店も少ないですが 出品されている場合もあるのでこちらもご確認ください。
クランプ につきましては、ホームセンターの大工用品コーナーで、Lクランプ/L型クランプの名称で 購入できます。
アコウダイ用の深海仕掛けになります。 アコウダイは感覚的には 浅い海域で言うところの<カサゴ> のような食い方をする魚です。 太さ や 大きさ に あまりこだわる必要はありませんが、船の流し方 と 仕掛けの 長さ的なバランス(全長 枝間 ハリス) は関係してきます。
外道 や 餌取の邪魔がすくなければ、 <タコベイト> など を 付けるほうがアタリは出やすいです。下田漁具さん、あるいは 釣具屋さんオリジナル仕掛けなど 市販品がありますので、使ってみて バランスのよい仕掛けを作られることをお勧めいたします。 仕掛けバランスの目安として
針 数 | 5本〜15本 |
幹 糸 | 30号 |
枝 間 | 150cm前後 |
ハリス | 12号〜18号 60cm〜80cm |
針 | ネムリバリ 18号〜22号 |
サルカン | パワーオヤコ 1/0×1 くらい |
ステ糸 | 16号〜18号 1ヒロ〜2ヒロ |
といった感じになります。

道糸は PEライン 12号〜14号 (1400m以上)です。例えば 魚場の水深が 500m後半から 550m前後 ですと、 潮の具合で 550mから ひどいときには700m以上 ラインが出ます。 理想としては、糸の出る長さの倍あれば、万が一の時に安心できます。
魚場の水深(出る糸の長さの2倍)をカバーできるリールを選択して、その仕様にあった 号数と メーター数を準備してください。 船からの 号数指定 が ある場合は 合わせましょう。 (お祭りの軽減の為に 船によっては指定している船もあります) 先に述べたように 糸巻き量は 「釣り場の水深(糸の出)の最深部 × 2倍」以上を 目安とされることを お勧めします。
「高切れ」して、 ラインが足りなくなっては 釣りはできません。 道糸・仕掛けのヨリトリには、ミヤマエに各種あります。メーカーHP ナップ付き/ベアリング入りサルカン10号位前後 1つでも十分にヨリは取れます。 リング付きは ヨリトリのほかに、船上での仕掛けの管理・投入・引き上げ の利便性もあります。お好みのヨリトリを使ってください。

集魚灯は、魚種により、条件により その効果が変わってきます。 また「効果があるのは対象魚だけではない」 ということも、忘れてはなりません。
サメとかバラムツなどにも効果が出てしまいます。 よって、使い分けが必要となります。 釣り場の条件に適するタイプを選びましょう。 集魚灯は、各種あります。

浅場のアコウダイ釣りには 400号前後 深場の場合は500号前後 が使われます。 根係りで失う場合が多いので、 投入回数分 用意していくのがベストです。 重いので 釣り場の状況を確認して 必要数準備しましょう。
最近では、 従来の鉛のほかに 鉄筋を使った錘も販売されています。鉄筋の場合 比重の違いで 形状が変わってきます。 鉛よりも 長いモノが多く、 投入後の降下位置が鉛とは違ってしまう場合があるので注意が必要です。 中錘も必要な場合があります。
40号から100号くらいまでを使い分けるのですが、仕掛けのバランスを大きく左右するので ビギナーさんは 中間錘は <付けるなら付ける 付けないなら付けない> で統一して 釣行した方が 仕掛け バランスを想定(想像)しやすいかも知れません。
ナイフは魚を〆るなどに使いますが、家庭用の包丁のような薄刃ではなく、 出刃包丁の様に 刃の厚いしっかりしたものでないと 刃が折れるなどして 揺れる船上では危険です。
ラジペンは針をはずしたり、金具の変形を治したりに使います。錆び難いステンレスのものが長持ちします。 ハサミは お祭りなどの時 糸を切ったり、毒魚の針を落としたり に使います。
指穴の大きな植木バサミや キッチンバサミ が重宝します。 また 仕掛けの管理だけなら事務用のハサミでも十分使えます。 いずれも 使用後はしっかり水洗いして、 油分をつけておきましょう。
アコウダイの釣り方
遊漁船には 右舷を使う船 左舷を使う船 があるので よくわからない場合は 船長の指示に従ってください。 左写真は セッティングの一例になりますが、仕掛けに餌が付いていることとします。 ようするに投入できる体勢です。現場へ到着したら、この体勢で 投入の合図を 待てるようにします。

忘れやすいのが 尻手です。 リールまたはロッドから1本 と ロッドキーパーから1本の 2本付けるのが望ましいです。
また 手の届くところに ハサミ・ペンチ・予備の仕掛け・オモリ などを置いておくと都合が良いです。身の回りのスペースを 旨く使ってください。
アコウダイ釣りの餌には、イカの短冊・カツオのハラモ・シャケの皮・アナゴ などが使われます。 アコウダイは 口が大きく、食欲旺盛な魚です。 餌は少々大きくてもガツガツ
喰ってきます。 短冊なら 幅 1.0cm〜1.5cm前後で長さは 25cm〜30cmくらいでよいでしょう。 ハッキリ言って アコウ狙いの場合は大きい分にはかまいません。

ただ あまりに大きすぎたり 長すぎると 投入時に取れたり、絡まったり、といったトラブルになるので その辺は 加減してください。 出船後は 現場に着く前に 2枠(2仕掛け)分くらいは 餌を付けて準備しておいてください。 (事前に 投入回数分の仕掛けに 餌を付けて 持ってこられる方も あります) 餌の付け方は こちらのページ も参考にしてください。
まず リールの電源の確認をしてください。 電源が入っていなければ 電源を入れてください。次に 餌の付いた仕掛けを連結してください。 (道糸からのフックとオモリ)リングを 竿尻に掛けて リールを巻いて 道糸を張って、リールの ゼロ設定(船べり停止)をしてください。仕掛け枠とオモリをもって 船長の合図で投入します。
現場での投入は ミヨシ または トモ から 順番となります。 船や その時 の状況で 違うので 船長の指示に 従ってください。投入後は 着底を待ちます。 スプールが止まって 道糸がフケたら 着底です。 クラッチを入れて リールを巻いて 道糸のフケをとって アタリを待ちます。
適当な間隔で 底の取り直しをするなどして、 水深の変化に 合わせて 仕掛けを上げ下げします。 アタリが出たら、アタリの出方を見て(竿の揺れ幅・鋭さ)から 糸を出してゆくのか、そのままにしておくのか、あるいは 上げていくのか いづれかの動作に入ります。 この動作で アコウダイが追い食いをするかしないか決まります。すべてのハリに アコウダイが付くようにイメージして 操作を繰り返します。
巻き上げは船長の合図で順次行いますので、それまでは ひたすら 全てのハリにアコウが付く様にイメージして リール ワークを続けてください。巻き上げスピードは、スローが鉄則です。 ドラグ設定は 大きく船が持ち上がった時に スプールが止まる くらいがよいでしょう。
アコウダイは 口が硬い魚ですが、掛かりどこによっては 口切れによるバレがあります。(キンメほど慎重に なる必要はないですが・・・) キンメ釣りと同じく 両隣の方と巻き上げスピードが ほぼ同じくらいになるようにすることも 大切です。 これは、お祭りを軽減する為の、 必須事項なので お互いに気を配りましょう。 状況は 都度違うので、臨機応変に 釣り方を合わせていく必要があります。 これには ある程度の 経験値が必要と なります。 わからなくなったら、船長に聞きながら、釣りをすることをお勧めします。
いよいよ 取り込みです。 リールが止まったら 竿を立て リングを手繰りよせ、竿尻に掛けます。 (余分な道糸は巻き取っておきます) アコウダイは 浮き袋の膨張で 浮いてしまう魚です。
船べりでバレても 後ですくえる場合がほとんどです。
よって 仕掛けの手繰りこみと 針掛けへのハリの仮置き の動作に専念できます。 隣同士で 協力し合うと より早く回収作業が出来ます。 仕掛けを 手繰り 針掛けに順次掛けていきます(リールに近い側から)。 この作業は アコウダイが付いていたら、 はずしながらになります。
アコウダイが数多く付いている場合や、海面の潮の流れ・風の吹き方 などで 手早く取り込まなければならない場合もあります。 そんな時は、次の投入に支障をきたす場合もあるので 全て船に手繰りこんでしまいましょう。 お祭りが ひどい場合にも 船に手繰り込んでしまいます。 この場合 明らかに釣った人がわかる場合は本人に また どちらの魚かわからない場合は 折半したりします。 (船の慣習もありますので 船長に従ってください)
さて 丸々の旨そうなアコウダイが 沢山釣れました。 魚の処理に入りたいのは山々なのですが、 ここで 次の2投目の準備をすることをお勧めします。 (時間に余裕があるときは別ですが・・・)
投入準備万端の状態で、 魚の処理 もしくは 今投入した仕掛けの 巻取りをします。

船長から 投入の合図がでたら 作業を中断して、投入体勢にはいって 順番を待ってください。 投入し終えたら、着低まで 時間があるので、残りの作業を行ってください。 1回目の仕掛けが使える場合、次の3回目に使えるように 餌の確認をしておいてください。
1回目の仕掛けが使えない場合、新しい仕掛けに餌付けをしておいてください。 このように 常に 今使っている仕掛けの他に もう1組をすぐ使えるよう準備しておくと案外 時間に余裕が出てやりやすくなります。
慣れないうちは、少し 大変かも知れませんが 空いている時間を 上手く使ってください。自信のない方は 投入回数分の仕掛けに 餌を付けて持っていく方法を お勧めします。かなりの時間の節約になり、釣りに集中できます。
旨そうなアコウダイですが、お刺身など 生状態で食べる分については、〆めて血抜きすることをお勧めします。 味が違いますよ! 右のように 背中を自分に向ければ やりやすいです。 エラ からナイフを入れ 背骨を絶ち 尾びれの付け根にもナイフを入れます。

ドロッ とした 血が出れば 完璧です。 しばらく バケツなどに浮かべて 血を出してから 氷と海水を入れたクーラーに収めます。後は どうやって食べるか 考えてください!!! 入れしましょう。
アコウダイの食べ方
いろいろな食べ方がありますが、筆者としては 煮付けを一番に掲げます。煮付け、刺身、一夜干し (干物) などなど シンプルに でも豪勢に!ご家庭で一流料亭の味が楽しめるアコウを 是非是非 ご賞味あれ!
アコウダイは、お刺身で食べるのは 一般的ではないかも 知れないがが、4日、5日寝かせたお刺身は 大変おいしいです。 特に 仲間の「ホウズキ(メヌケ)」のお刺身は、甘みがあって大変に美味しく、1日2日寝かせただけでもおいしく食べれます。
お刺身用に寝かせた アコウダイを使って 寿司飯でにぎりにするのも良いでしょう。 淡白な身に 寿司飯が良く合います。 脂の乗った 中型のアコウダイ位が 良いでしょう。

寒い季節のアコウダイには、やはり <鍋>が定番。 ぶつ切り で 鍋に入れるもよし しゃぶしゃぶにするもよし。 大根やねぎに 旨みが移って とってもおいしいですよ。〆に<うどん>か<おじや>で満腹 ホカホカ

寒風にさらして一夜干し、天日に干して干物。 どちらも 味付けは塩だけで十分。 香ばしく焼いた 熱々ジュウシーなアコウダイの焼き物はいかが
切り身 とか カマ の部分を 煮つけでいただくのも シンプルでおいしいです。 特に カマの部分 は プリプリ で まるで鶏肉。 直ぐに食べるなら 濃い味で 煮付けるのがコツ。 1日置いて 味が染み渡ってから食べるのも最高ですよ。
切り身に一手間加えて、焼き物に! 西京味噌など 色々ブレンドしてご家庭の味でお楽しみください。 料理酒などを きつめにすれば おつまみとしても最高です。
アコウダイの中骨の塩焼き
アコウダイの中骨は。塩焼きや干物でもOK。シンプルですが、とても美味しいです。