イサキ釣りのホームページ
イサキってどんな魚?
お料理やさんでも おなじみのイサキ。 旬になると、釣ったイサキは 高値の取引があります。 大型は 1kgを超えるものもあるイサキですが、その生態・釣り道具・釣り方など 簡単に説明します。

目 |
スズキ目 Perciformes |
亜目 |
スズキ亜目 Percoidei |
科 |
イサキ科 Haemulidae |
亜科 |
コショウダイ亜科 Plectorhynchinae |
属 |
イサキ属 Parapristipoma Bleeker,1873 |
類 |
イサキ P. trilineatum |
学名 |
Parapristipoma
trilineatum (Thunberg,1793) |
英名 |
Chicken grunt |
イサキの生態
イサキは、体長は、40cm以上になり、お刺身・塩焼き・煮付け・唐揚げ などなど 様々な料理でも食されているので、皆さんお馴染みです。
地域によって呼び名が たくさんありますが、「オクセイゴ、イサギ、クロブタ、コシタメ、エサキ、ウズムシ、カジヤコロシ、イセギ、イッサキ、ハンサコ、ハタザコ、ショフ、ジンキ、ソフ、クチグロマツ」 などなど 中でも 面白いのは カジヤゴロシ なんて呼び名もあります。 (イサキの骨がのどに刺さって鍛冶屋が死んだ とか?)
また 幼魚は 鮮明な縦縞模様があり ウリボウ、ウリンボウ、イノコ (イノシシに似ている) などども呼ばれます。東北地方以南の日本沿岸に棲んでいる イサキは、黄海、東シナ海、南シナ海にも分布しています。水深50m以内の 藻の多い 岩礁帯 が主な生息場所。
食性は 肉食性で エビ・カニ・ゴカイ類を捕食します。 釣りでは オキアミ や イカの短冊 青ジャムシ などが使われます。産卵は夏で、 静岡県/御前崎・遠州灘辺りでは 5月 6月ころ、産卵を前に メス・オスとも 卵・白子が 腹が一杯になっています。 この頃の イサキは大変おいしく 高値で取引されます。
筆者がまだ若かりし頃 とある飲み屋さん で イサキの塩焼きを頼んだところ、小ぶりのイサキが 出てきてお勘定が ¥1200-/1尾 ときたので驚きました。 もちろん 地域差は あるでしょうが そのくらい 高価なのです・・・話を戻してますが、静岡県/御前崎・遠州灘辺りの、旬は高価なイサキも 7月くらいになると、独特の臭み をもつようになり、あまり喜ばれなくなります。
釣りにおいても、イサキは人気者です。 専門にイサキ狙いであったり、マダイのノッコミ狙いのお土産釣りなど、短時間に数を釣ることが出来る魚です。明確なアタリと引き込みを見せ、マダイ釣りほど 棚を正確に取る必要もなく、浅場(浅いときは10m以内)で釣りが出来ること などなどが 人気の理由で、 初心者・ビギナーさん にも 十分楽しんでいただけるでしょう。
イサキ釣りの道具と仕掛け
イサキ釣りは、コマセ釣りのターゲットとしては、イサキと並んで代表的な魚です。
吹流し仕掛けの釣りの他、胴付きサビキを使った釣りもあります。タックルは いずれにしても ライトになります。では もう少し詳しく 仕掛けなども含めて紹介します。
磯からの <ウキ釣り> などもありますが、一般的には<沖釣り>です。 釣り方は 胴付コマセ釣り もしくは 吹流しのコマセ 釣り になります。オモリ付加 30号から100号 長さ2.4m〜3.6m前後 5:5調子 〜 7:3調子 くらいが良く使われます。釣り方 好み 地域差などで異なります。現地で よく使われているタイプを お勧めします。イサキ釣りに使えるロッドはこちらでご覧いただけます。



イサキ釣用のリールというのは 特にありません。 小型の両軸リールであれば 何でも使えます。ラインは PE3号〜5号 100mから150mもロッドと同じで 高価なリールは必要ありません。

イサキ専用なら 中型クーラーが 使い勝手が良いでしょう。港まで近距離であれば、少々 保冷力が弱くても 何とかなりますが、遠距離の場合は、保冷力の強いクーラーをお勧めします。

大きさ と 保冷力 持ち運びなどの利便性を考えて 自分釣りに あっているものを選びましょう。
ロッドキーパーは、 小物用のロッドキーパーで対応できます。船の装着場所なども考えて 間違いのないロッドキーパーを選択してください。
よく見かけられるのは 第一精工のラーク16DX・18(DX) やダイワのパワーホルダーです。ロッドキーパー装着時には、クランプで 船に固定されるわけですが、何があるかわかりません。

ロッドキーパーにも 尻手ロープを付けることをお勧めします。ロープ でも何でもかまいません。 ちなみに筆者は 幅7mmの組みひもやロープ を使っています。 (ちなみに ホームセンターで購入しました)
吹流し仕掛けなら 1本〜3本鈎、胴付サビキなら ハリスが長目のものが 有効です。吹流し仕掛けは 簡単です。 パーツを購入して 自分で作ることが出来ます。仕掛けは 多い目に準備しておきましょう。
イサキ釣りに使えるサビキ仕掛けはコチラから
結構 仕掛けの消耗が激しい釣りです。また 吹流しの場合 仕掛け以外に 片テンビン コマセカゴ (クッションゴム=釣り方好みによる)が、胴付仕掛けの場合 コマセカゴ (クッションゴム=釣り方好みによる)が 必要です。
コマセカゴは、資源保護の見地から、カゴの大きさ規制 が ある地域が増えてきました。はじめて 釣行する時は 事前にその大きさなど確認をして準備して置いてください。
潮の流れ方、船の流し方で 重さを変えてください。遊魚船の場合は 大半 あらかじめ指定されています。 船の指定に 合わせてください。
大体 80号 〜 100号 が多いです。オモリは 指定号数の前後も (100号指定なら 80号 120号) 1つは持って行くと安心です。予備オモリは、吹流しの場合は、万が一を考え(テンビンの上で切れる場合がある) テンビン・カゴと同数用意すると安心です。
めったなことはないので 2セット ないし 3セット で よいでしょう。胴付の場合で、特に不慣れな方は、オモリは数個用意していく方が無難です。 (カゴは 2個ないし3個)
ナイフは魚を〆るなどに使いますが、家庭用の包丁のような薄刃ではなく、 出刃包丁の様に 刃の厚いしっかりしたものでないと 刃が折れるなどして 揺れる船上では危険です。
ラジペンは針をはずしたり、金具の変形を治したりに使います。錆び難いステンレスのものが長持ちします。 ハサミは お祭りなどの時 糸を切ったり、毒魚の針を落としたり に使います。
ハサミは釣り専用のものも良いですが、指穴の大きな植木バサミや キッチンバサミなども重宝します。 また 仕掛けの管理だけなら事務用のハサミでも十分使えます。 いずれも 使用後はしっかり水洗いして、 油分をつけておきましょう。
イサキの釣り方
図は コマセサビキ釣りの一例になります。 コマセカゴに八分目くらいコマセをつめてセット完了です。 現場へ到着したら、この体勢で 投入の合図を 待てるようにします。

忘れやすいのが 尻手です。 必ず リールまたはロッドから1本 と ロッド キーパーから1本の 2本を付けることをお勧めします。
また 手の届くところに ハサミ・ペンチ・予備の仕掛け・オモリ などを置いて おくと都合が良いです。身の回りのスペースを 旨く使ってください。
サビキ釣りの場合、ハリに餌は付けません。 かわりに コマセカゴに コマセ(アミエビやシラスなど)を 詰めます。 (喰いの悪い時など まれに オキアミを付けたり イカを付けたり ということはあります。)
コマセの詰め方は、 あまり詰め込まないで、 7、8分目 くらいが 適当です。 コマセが出ないと 釣りになりません。コマセカゴは コマセの出方が調整出来る機構になっています。
ひとつの 目安として 7.8回のシャクリで コマセが出切る位に調整して、後は釣れ方などで 変えていってください。コマセは 出すぎても 少なすぎても 効果が激減します。 効率のよい出方を見つけましょう。
まず リールの電源の確認をしてください。 電源が入っていなければ 電源を入れてください。 船べり設定 ゼロ設定 も お忘れなく!
* 船べり設定は 竿を立てて コマセカゴが 手元に来るように セットしてください。 (仕掛けは手繰り上げます) 仕掛けの絡みが無いか 確認しておいてください。
船長の合図で オモリから海面にいれます。

釣り方はアジ釣りと似ていますので、アジ釣りを例に説明します。 船長の<指示棚> 前後を探ります。 指示棚より ハリスの長さ分 低目からスタートします。1.2回 シャクリを入れて コマセを巻き リールのハンドルで 2.3回転巻きアタリを待ちます。
シャクッてから リールを巻くのは コマセの煙幕の中に仕掛けを入れる ためです。アタリが無ければ もう一度シャクリを入れて 2.3回転巻き アタリを待ちます。
この動作を アタリが出るまで 4.5回 繰り返します。
徐々にシャクリ上げてくる わけです。数メートル 上がったら もう一度 スタートした深さまで 仕掛けを落とし、再び シャクリ上げてきます。コマセの出る速さにもよりますが、この繰り返しを 2.3回やって アタリが無ければ 巻き上げてコマセを詰め直します。
コマセの出切ったタイミングで上げるのが理想的です。 コマセの出るスピード と 巻上げのタイミングは 釣りながら、見極めてください。アタリが出た場合は、すぐには巻き上げず、 ハンドルをゆっくり巻いて 追い食いを誘います。
喰いが良ければ 針数分イサキが付いてきます。巻き上げは 手持ちで スピードはスローが鉄則ですが、イサキほど口が弱くないので数を釣るつもりなら中速くらいでガンガン 上げてしまった方が 手返しが早くなります。
船の上下動が大きい時などは ロッドワークで 動きを緩和させてください。イサキ釣りはこの一連の動作の繰り返しです。また イサキの活性が高ければ、棚がどんどん上がってきますし、上方で釣る ほど 大きいのが来やすいです。反対に 活性が低い時は 底にへばりついている場合もあります。
イサキの取り込みは よほどの大型でもない限り、抜き上げで かまいません。 タモ入れしたほうが よいのですが、手返しが遅くなります。
とはいえ どの魚にも言えることですが、水面で 針係の状態を見て はずれそうなら タモ入れをしてください。抜き上げする場合、 イサキが水面で 出来るだけ暴れさせないように そっと抜き上げていきます。
この時に 仕掛けが絡みやすいので 気をつけてください。 仕掛けを 絡ませないようにするには ある程度要領がありますので、 何回か実践して コツを掴んでください。
イケス や タル に とりあえず 釣ったイサキを どんどん入れてください。そして すぐに コマセを詰めて 再投入します。 とにかく 釣っては すぐに投入 する の 繰り返し です。
死んでしまったり、弱ったイサキ は 合間を見て クーラーへ移していきます。
イサキを、お刺身で食べる場合は 〆たほうが 断然 おいしくなります。 クーラーに移す前に 首を折る か ナイフを入れて〆て バケツなどで 血を抜いてから クーラーへ移します。
クーラーには、氷と海水を入れて(水氷) その中にイサキをいれます。 氷だけだと せっかくのイサキが 氷焼け してしまいます ご注意ください。
イサキの食べ方
いろいろな食べ方が ありますが、お刺身、塩焼きなどが一般的です。 釣たてイサキを、心を込めて料理して、美味しく いただきましょう!
普通に お刺身です! 産卵期のイサキは、 卵(白子)をもっていて 脂があり 大変おいしいです。 もちろん この時期は 他のお料理にしても 抜群においしいです。 場所にもよると思うのですが、時期を過ぎると 独特の臭みを持つことがあります。
皮付きのまま 湯引き も なかなか です。 皮の 歯ごたえ と 皮とみの旨みは お刺身とは また ちょっと違った味わいがあります。
きれいに下処理した白子にうっすら塩をしてチルド状態まで冷凍して軍艦巻きに!紫蘇をしいて白子を乗せて梅肉を少々。濃厚です!
定番の塩焼きです。尾頭付きの贅沢な一品。見栄えもさることながら 味も絶品 初夏の夜の晩酌のおともに最高です。
イサキを開いて、5%前後の塩水で血合いや薄皮などきれいにとります。軽く塩をふって、網に入れ一晩干したら出来上がり。絶品です。
下処理した白子と卵に うっすら塩をしてから 焼いて出来上がり、火がとおり多少 焦げるくらいが おいしいです。 濃厚な味わいが苦手な人には 不向きかも知れません。
比較的 小さめのイサキが釣れたら、 丸上げ。 大きいイサキは 切り身にしてから。塩・こしょうで 下味をつけ 粉でまぶして 油でジュン!!! レモンを絞って いただきま〜す!粉でまぶして バターで ソテー も いけますぞ・・・

昆布・かつお・イサキのアラでダシをとり、 こんがり焼いた皮付きの身をいれ コトコト。仕上げに塩 (好みでしょうゆ)で味を調え出来上がり。彩りと風味に刻みねぎ・しょうが・みょうがなどを好みで添えてください。だし用のアラは、臭み消しに一度熱湯にくぐらせてください!
これは 簡単ですぞ! イサキの身をたたいて 味噌ときの冷汁に入れてでき上がり。彩り と 風味に 刻みねぎ・しょうが・みょうが などを 好みで 添えてください。
塩漬けです。 きれいに下処理した白子を たっぷりの塩でくるみます。 そのまま 冷蔵庫で 3日ほど寝かせて 完成。