沖釣りロッドの トラブルにも 色々とあります。ロッドアートに持ち込まれた実例を掲げて、主な原因/対処法/予防措置についてみて考えてみましょう。
ロッドのトラブル事例(対処と予防)
ガイド系 の トラブル事例
ロッド・ブランク系のトラブル事例
バット系 の トラブル事例
ガイドフレームが折れた。
ガイドフレームが折れた 実例 @
DBガイドのフレームが 立ち上がってしまった。指で押さえて 簡単に戻たが数回繰り返していたら折れた。
原因としては、取り扱い上、持ち運びの時に、ガイド部を突いてしまうケースが大変に多いです。
また、取り扱いに注意していても、ガイドが起きてくる場合があります。これは、ロッドの曲がりの強い部分のガイドに多いです。巻上げ時、ガイドリングに接している道糸に 角度が付いて、ガイドを起こそうとする方向に 力を発生する為です。
どちらにせよ、はじめのうちは 指で戻していますが、繰り返していると 金属疲労で 折れてしまいます。
ガイドフレームが折れた 実例 A
NSGガイドのフレームが、サビにより ”肉”がやせて折れた。
このケースの原因は、全く手入れしないで、使いっぱなし状態を 長期間 繰り返していたためにガイドフレームがサビたと考えられます。 赤丸の部分はとくに サビすい個所です。
処 置
ショップ店で交換修理してもらってください。自分で応急処置する場合は、「ガイド」 ・ 「瞬間接着剤またはエポキシ接着剤」 ・ 「強度のある糸」 を用意し、ガイドを糸で巻いて固定します。接着剤を糸の巻きに塗って乾けば完了です。とりあえず使えますが、あくまでも応急処置です。
予防法
ガイドが起きないようにすること と サビ無いようにすることです。持ち運び時、ガイドを突かないように注意し、使用後の洗浄を心がけてください。
洗浄は、水を当てて、塩を落とすだけでも、ずいぶんと違いますが、出来れば お湯・ぬるま湯での洗浄がよいです。
上図の赤丸は、汚れや ゴミが付き易い個所で、汚れやゴミと一緒に塩分も付いています。たまには歯ブラシのようなもので擦ってください。
また、長期間使用しない場合は、よく洗浄した後、油分をうっすら着けておくとよいでしょう。 (CRCスプレー・シリコンスプレーなど)
1本足ガイドは ロッドを使っていると自然に起きてきてしまう場合があります、予防法はありません。これはガイド強度とロッド全体の構造から起こるものです。
4回、5回とガイドが起きたら、早めに交換してください。(現場で折れる前に・・・)ガイドの種類を交換するのがベターですが、同形状のガイドをすべて交換しなくてはなりません。また ガイド位置を調整して治るケースもあります。ショップ店に相談してみください。
ガイドがフレームごと取れた。
ガイドがフレームごと 取れた
実釣時 やり取り最中に ガイドがフレームごと取れた。
原因は、ロッドの許容範囲以上(過負荷かかる)の釣りをした場合や単純に糸の材質が悪かったり、巻き方が悪かったり、あるいは老朽化で巻き糸を含め固定部の強度がなくなっていたといったことが考えられます。
処 置
ガイド部の巻き直しと コーティングが必要です。 ショップ店へ行ってください。応急処置としては、ガイドフレームが折れた場合と同じです。ガイドが使えれば、そのまま仮付けしていただければ とりあえず使えます。
予防法
ロッドの許容範囲を異常に超えた釣りはしない。(魚の大きさは選べないのでこれは無理・・・www) と いうことと メーカー品、カスタムロッド、自作ロッドいずれも、長年使い込んだり、巻き部分のコーティングが薄くなったりした場合には、「ガイドの巻きなおし」をしてください。
自分でロッドを作るときの注意としては、ブランクの許容範囲にあったガイドを使い、それに応じた糸で確実に巻くことが必須です。カラーやデザインも気になるでしょうが、まずは基本性能です。
ガイドリングが割れた。
ガイドリングが割れた
釣行時、予備竿を 船の支柱に 縛っておいたところ、トップガイドが 船の煙突に接触しており、煙突の振動(振動)でガイドリングが割れた。
原因は、衝撃です。 SICリングは、大変硬い材質ですが、瞬間的な衝撃 や 繰り返しの衝撃で割れてしまうことがあります。 処置交換修理してください。
釣行時 万が一、トップガイドが割れてしまった場合、トップガイド抜きでも釣りは出来ます。 帰ってから 修理に出してください。
処置
自分で修理する場合は、ライター、ペンチ、カッター(紙やすりなども可)瞬間接着剤 または エポキシ接着剤 で修理ができます。 ロッドを回しながら、ガイドのパイプ部分をアブリます。
(注)ガイドが飛び出す場合があります。すばやく、ペンチで挟んで抜き取ってください。
抜けたら、カッター または 紙やすりなど で ブランク表面を整えます。後は、瞬間接着剤 または エポキシ接着剤 で接着します。
予防法
持ち運び時などに、ガイドが物に ぶつからないように 心がけてください。ロッドケース や ロッド収納袋に 入れるなどずれば 更に安心です。
ガイドフレームが曲がった。
ガイドフレームが曲がった。
NSGガイド仕様のロッドで、大物とのやり取り中に、ガイドフレームが潰れるように曲がった。
原因は「力負け」で、ガイドフレーム強度が、負荷に耐えられなかったということです。その他、ガイドを突いてしまって曲がった。誤って 踏みつけてしまったなど が 事例として挙げられます。
処置
程度によりますが、ペンチ で 元にもどすことができます。 ただし、 ガイドリングを押さえている部分に 歪が 生じ ガイドリングが 取れる場合があります。曲がりがひどい場合は 交換修理してください。
予防法
取り扱いに注意し、突いたり 踏みつけたりしないようにして下さい。対象魚に合った、ロッドを使用してください。
特に、「ドラッグ機能を使えない釣り」では、力を逃がせないので、それなりのロッドをチョイスして下さい。
ガイドが取れてはいないが、回ってしまった。
ガイドが取れてはいないが、回ってしまった。
NSGガイド・DBガイド仕様のロッドで、やり取り中に、ガイドフレームが回った。
原因としては、過負荷により、ガイドを巻いてある糸(スレッド) と ガイド が滑ってしまったり、ブランク と ガイドが滑ってしまった と考えられます。
処置
ガイドの巻きなおしが必要です。自分で応急処置をする場合、強度のある糸で 巻きなおして、瞬間接着剤 または エポキシ接着剤 で 巻きに薄く塗布しておけばOKです。
予防法
自作ロッドの場合、製作時 ロッドに対し、強度的にバランスの合った糸(スレッド)で、しっかりと巻く ということです。市販ロッド、カスタムロッド 問わず 使い込んでいくと ガイド巻き部 のコーティングとその下の糸(スレッド) が劣化します。 見た目より劣化が進んでいる場合もあるので、気になりだしたら、ためらわず巻きなおしして下さい。
トップガイド根元付近でロッドが折れた。
トップガイド根元付近でロッドが折れた
リールの巻き過ぎで折れた。
ドラグが硬い状態で、リールを巻きすぎるた為に折れた。電動リールでも、手巻きリールでも 起こる事故です。
ビギナーさんがよくやってしまう失敗ですが、巻き上げ時 上がってくる 仕掛けに 気を取られ、目いっぱい巻いているのに 気が付かないことが 原因です。
また、高切れしたときに、電動リールを リセットしなかった為に、巻き過ぎてしまう ケース もあります。
トップガイド根元付近でロッドが折れた。 他 実例
・車のドアで挟んだ
・踏んづけてしまった。
・竿先が隙間に挟まったのを、無理やり取ろうとした。
処置
現場で予備竿が無ければ、仕方ありません このまま使ってください。違和感はありますが、何とか釣りにはなります。
帰ってから修理に出してください。修理する場合、折れたブランクは 元に戻りませんので、ガイド間隔の関係で、2番目 あるいは 3番目ガイドまで 巻き直しする場合もあります。ショップ店の話をよく聞いてみてください。
予防法
持ち運びなど、取り扱いに注意してください。釣行中であれば、ドラグを調整して、巻きすぎても ドラグが滑るように設定しておけば安心です。
電動リールの場合は、自動停止しますが、機種によっては、停止位置が ずれてしまうものもあります。 自動巻取り中に、巻き終わり付近まできたら、手動で巻くなどして下さい。
塗装に傷が入った。
塗装に傷が入った 実例
・持ち運び時、転んでコンクリートの角にぶつけて、塗装がかけた
・実釣時、船の振動で、船体に接触していた部分の塗装が削れた
・運搬時車中で、ロッドキーパーの金具に接触していて、塗装が削れた
・焚き火で塗装が焼けた
原因のほとんどは 不注意によるものです
処置
程度によりますが、 表面の傷だけで、「地」 が見えていなければ、 特に問題ありません。 気になるようであれば、塗料やエポキシコーティングを 「タッチペン」の感覚で塗っておけばよいでしょう。
どうしても気になる方や 地が見えるほどの傷であれば、修理したほうがよいと思われます。
ショップ店・専門店に相談してください。塗装が焼けてしまった場合は、かなり見苦しいと思います。 ショップ店・専門店に修理依頼してください。
予防法
原因のほとんどが、不注意によるものです。気をつける以外にありません。
カスタムロッドの場合の表面のコーティングは、エポキシ樹脂がほとんどです。焼き付け塗装やフッソによるコーティングほど硬くないので、運搬時などにも気を配りましょう。
エポキシコーティングに割れが入った
エポキシコーティングに割れが入った 実例
長年使っていたら、自然に割れが入った
年数使い込んでいると、エポキシコーティングの弾力が無くなり、ブランクの曲がりに ついていけなくなって割れが入ってしまいます。使用頻度か高いと 1シーズンで 割れてくるときもあります。
処置
割れがたくさんある場合は、オーバーホールをお勧めします。 たくさん割れ目が出来るほど使い込んでいるということは、ガイド部分の傷みも 進行しています。
釣行中にガイドが飛んだ なんて事にならない為にも、ガイドの巻き替えも含めた、 オーバーホールがお勧めです。進行具合は それぞれ違いますので、 ショップ・専門店に相談してみてください。
予防法
いわば老朽化・経年劣化ですので、特に対策はありません。保管場所は、日のあたるところは避けるといったことくらいでしょうか。
使用頻度にもよりますが、数年おきにガイド部のみ あるいは 全体に再コーティングするという方法もあります。
バット・リールシートのネジが回らない
リールシートのネジが回らない 実例
アルミバットで、使いっぱなしでいた為に、リールシートのネジが腐食し張り付いて回らなくなってしまった。
アルミバットの場合、腐食により、ネジが固着して 回らなくなってしまう場合があります。また ネジが回っても、シートが固着してしまっている場合もあります。
処置
とりあえず 「CRC」など 油分を浸透させてみてください。 次に、傷防止で ネジに厚めの布など巻いて、木槌のようなもので、いろいろな方向から 叩いた後、プライヤーで挟んで まわしてみてください。
それでも駄目な時は、ネジ部を まんべんなく 炙ってください。(この時、ネジの間にある 「Oリング」 は駄目になります)
炙った後、叩いて、プライヤーなどで回してみてください。 何回か繰り返すうちに 回るようになるはずです。
炙る時は、油分がたっぶり着いていると燃え出しますので、表面の油分はよく拭き取ってください。
シートが固着してしまった時は、木片を用意して 逆方向から叩きます。それでも駄目な場合は、ショップ・専門店に持っていきましょう。
予防法
一番確実なのは、釣行後、リールを取り外してから、よく洗浄し 乾かして 油分をつけておくことです。
毎回毎回では大変ですので、せめてよく洗浄してください。 この時、リールは外さなくても、ネジをゆるめて洗い、 洗い終わったら 水気をよくふき取るなどすると 作業が楽です。
バット と ロッド の脱着部のネジが回らない
バットとロッドの脱着部のネジが回らない 実例
バット と ロッドの 脱着部のネジが回らなくなってしまった
写真上は グラスバット(上) アルミバット(下)です。
グラスバットの場合ですが、 リールシートに リールがセットされた状態なっており、且つ リールを固定しているネジが 目いっぱい締まっていると ロッドがわのネジが回らない場合があります。
また、長期間セットしたままで、接合内部に 水などが入っているとシート内部で フェルールが変形しネジが回らない状態になることがあります。
金属ではないので、腐食はありませんが、劣化・変形はあります。
次に、アルミバットの場合ですが、腐食によるものです。ネジそのものの腐食の場合・シート内部での腐食・あるいはその両方 の場合です。
いずれも、使いっぱなしが原因です。
処置
グラスバットから説明します。まず、リールがセットされている状態であれば リールを外してみてください。これでネジが回れば軽症です。
駄目な場合ですが、まずシート内部で変形を起こしていますので、プライヤーなどで回してみてください。
(傷防止の保護はいりません。どのみち 変形していますので・・・) これで ネジが回って 抜ければ 「ラッキー」です。
(ただし、変形したフェルールは ショップ店で 交換してもらってください。 再度使うと同じ目にあいます。)
駄目な時は ショップ・専門店に相談してください。最悪はバットのリールシートを壊さなければなりません。
次にアルミバットの場合です。まず、油分を浸透させてみてください。次に木槌などで「コンコン」と叩いて、回してみてください。
駄目な時は、ネジ部を中心として、シート全体を炙って、叩いて、回してみてください。
時間をかければ、何とかなる場合が多いです。炙ると「Oリング」は駄目になります。また、油分が表面についていると、燃え出しますので 注意してください。これで駄目な時は、ショップ・専門店に相談してください。
予防法
一番確実なのは 釣行後 取り外してからよく洗浄し 乾かしておくことです。アルミバットの場合には、油分を うっすらと 塗るなどしておくと完璧です。
グラスバットの場合は、油分はパーツの劣化・変形につながる場合がありますので、避けてください。
バットのリール脱着部のネジが止まらない
バットのリール脱着部のネジが止まらない 実例
リングナット部の磨耗により、ネジが止まらなくなってしまった。
アルミバット(アルミリールシート)の場合ですが、材質がアルミということもあり、ネジ部が磨耗してしまう場合がある。
処置
セパレート式のロッドの場合は、磨耗がリングナット側であれば、リングナットの交換ですみます。
ただし、リングナット単体では市販されていませんので、アルミのリールシートを購入して流用することになります。
注意点としては、メーカーにより 太さやネジピッチが違う可能性がありますので、現物を持ってお店に行きましょう。
磨耗部がバット本体側であれば、バットごと交換しかありません。同じメーカーの同じサイズのバットを購入してください。
一体型のロッドの場合は、かなり厄介です。ロッドを分解するしかありません。作ってもらったお店に行って相談してください。
予防法
金属の磨耗なので、取り外し回数 や 緩みによる締め直し回数などに比例し摩耗していきます。工夫して長持ちするように使うしかありません。
リールを取り付けたら、リングナットをしっかりと締めましょう。釣行中に緩んで来て、締めたり緩んだりの 繰り返しをしていると 早く磨耗します。
特に、釣行回数が多く、お手入れや、持ち運びの関係で リールを毎回取り外している方は注意が必要です。
また、砂などが 噛んだままで脱着を繰り返していると早く磨耗します。
グループサイト 他
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参考記事 他
Reference article
- ロッドのトラブル
- ロッドトラブル事例と対処
- カラーバリエーションの例
- ロッド製作のためのカラー見本
- 飾り巻・スレッドアートの例
- ロッド製作のための飾り巻見本
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- 沖釣りのすすめ 沖釣り入門
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