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クロムツ釣りのホームページ

クロムツ釣りのホームページ Fishing homepage
クロムツ釣りのホームページご訪問有難うございます。このサイトでは、遠州灘・駿河湾のクロムツについて生態・釣り道具・釣り方・食べ方など紹介しています。(ホームページ随時改装の為
お見苦しい点はご容赦ください)
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クロムツってどんな魚?
ここで言う クロムツは、同属のムツ も含めます。 ムツ と クロムツは 大変よく似ています。 ムツに対して、クロムツは 大きくなると 1mを超えるものも居ます。ムツ・クロムツ合わせて<クロムツ>と呼んでいる場合が多いです。ではもう少しクロムツについて見てみましょう。
クロムツの生態
クロムツ釣りの道具と仕掛け
クロムツの釣り方
クロムツの食べ方
目 |
スズキ目 Perciformes |
亜目 |
スズキ亜目 Percoidei |
科 |
ムツ科 Scombropidae |
属 |
ムツ属 Scombropsemminck et Schlegel,1845 |
類 |
ムツ S. boops |
学名 |
Scombrops boops(Houttuyn, 1782 |
英名 |
Gnomefish |
クロムツの生態
写真は 2kg級のクロムツです。 アコウ・キンメ釣りで来たお客さんです。見た目には 色的に 紫がかった黒色で、鋭い犬歯が並んだ、決して 見栄えのよい魚とはいえません。 が、大変貴重・高価なお魚です。
日本では、北海道以南に 生息しています。 また インド太平洋 と アフリカ南部沿岸の大西洋にも分布しています。生息域は 水深200-700m前後の深海で、岩礁域・大陸棚斜面などの傾斜地に多い場所を好みます。食性は肉食性で、小魚・頭足類・甲殻類などです。
産卵は、冬から春にかけてです。 水温の上昇とともに、浅場に上がって産卵します。だいたい 水深100m前後まで 上がってきます。稚魚は 海岸部の 岩礁や 内湾の藻場に ついて成長します。 成長とともに、深場に移動して、3年ほどで成魚になります。
延縄や底引き網で捕獲されますが、大変に味がよく 高値で取引されます。釣りにおいても、 中深海より 深場の釣りであること、生息条件にあった ポイントが 限られていること など 専門にクロムツを対象としている遊漁船は 限られています。
静岡県では、伊豆エリアがそれに該当してきますが、遠州灘でも深海・中深海釣りで、時々顔を見ることが出来ます。遠州灘の場合は、専門というより中深海・深海五目のターゲットの一つといった感じです。
産卵などで浅場に移動するあるいは産卵後に深場へ移動するなど、タイミングが合うと思わぬ大釣れすることがあります。産卵前の、冬が旬とされています。お鍋・お刺身・焼き物・煮物などなど幅広い料理に使われます。
クロムツ釣りの道具と仕掛け
クロムツ釣には、いろいろな釣り方があります。 釣りスタイルに合わせて、道具と仕掛けが必要になります。道具・仕掛けは、釣り方などよく確認してから準備しましょう。浅場と深場では、時としてタックルを変える必要があります。また仕掛けにおいても針数 や仕掛けの太さ などが変わってくる場合があります。
クロムツ釣りのロッドは、表示が 80号 ~ 400号くらいのものを使います。釣り場出使う オモリ負荷 に応じて選択してください。
調子的には 6:4調子~7:3調子 がベターです。 中深海で釣る場合は、アカムツ釣りのロッドなどが使えます。深海で釣る場合は キンメダイ用のロッドが使えます。
長さは 1.8m~2.2m 前後が使い勝手が良いでしょう。各地域の釣り方の違いなどもあり、市販のものでは 調子が合わない場合も多く 自作されたり、オーダーメイドでカスタムロッドを作られる方も多いです。
クロムツ釣り(深海釣り)は、大変 大きな負荷のかかる釣りです。 パイプ構造のロッドよりグラスソリッド(=グラスの無垢) をお勧めします。

クロムツ釣り用のリールは、糸巻き量でいうと PE 6号~12号を 300m~1000m前後巻けるリールを使います。リールの大きさと PEラインの太さは釣り場所の水深と使うオモリの負荷に応じて選択することになります。
水深200m前後から400m未満で釣る場合は、中型の電動リールで対応できます。
深海釣り(アコウ・キンメ)では、ミヤCOMMAND-X8から上位機種で対応できます。釣力コントロール と ドラグの併用でクロムツの口切れ・バレを最小限におさえてくれる<X・9sp>上位機種がおすすめです。
最近 よく見かけるのは ダイワ マリンパワー です。ドラグ性能がかなり高いです。コマンドより 電力を多く必要とします が、静穏設計で、巻き上げ スピードも速く、トルクもあります。
浅場のクロムツ釣り(200m~300m)では、糸巻き量が少なくてよい場合もあるので ミヤ コマンドX・4 コマンドX・6 コマンドX・8 や ダイワ ブル1000シリーズ クラスで間に合います。
深海釣りでの、 クーラー購入の目安としては40リットルから上をお勧めします。100リットルを超えるクーラーの場合スペース的 あるいは 持ち運びの点で大きすぎる場合もあります。
そんな時は 例えば 40リットル前後クラスを2つ用意する。という手もあります。港まで近距離であれば、少々 保冷力が弱くても 何とかなりますが、 遠距離の場合は、保冷力の強いクーラーをお勧めします。
大きさ と 保冷力 持ち運びなどの利便性を考えて 自分釣りに あっているものを選びましょう。
ロッドキーパー(竿受け)は必要です。浅場の オモリ負荷が 小さい場合なら小物用のロッドキーパー・竿受けで対応できます。
第一精工のラーク または ミヤマエのロボットが一般的です。ラークの場合はラーク16・18クラスで大丈夫です。前者でも 十分対応できますが、深海釣りの場合なら最強ラークが安心できます。
船の装着場所なども考えて 間違いのないロッドキーパーを選択してください。ロッドキーパー装着時には、クランプで船に固定されるわけですが、 何があるかわかりません。 尻手ロープロープを付けることをお勧めします。
太目であれば ロープ でも何でもかまいません。 ちなみに筆者は 幅1cmの組みひも を使っています。 (ちなみに ホームセンターで購入しました)

フックプレートはあった方が便利です。船によっては毎投入ごと、新しい仕掛けを使う船もありますが、針掛けがあると無駄な仕掛けの浪費を抑えられます。
針掛けは、巻上げ時に針を順次掛けておく <一時的な仕掛け置き場> であり また <投入器>の役目も果たします。
針掛けは、廃材やホームセンターの部材から 手作りもできます。市販品を購入される場合、実績のある <ミヤマエのフックプレート>がお勧め。
クランプ につきましては、ホームセンターの大工用品コーナーで、型クランプの名称で 購入できます。
中深海 深海仕掛け になります。アカムツの仕掛け・キンメの仕掛けがそのまま使えます。ご自身で製作される場合 こちら をご覧ください。 仕掛けバランスの目安として
針 数 |
3本~10本 |
幹 糸 |
10号~20号くらい |
枝 間 |
100cm~150cm前後 |
ハリス |
8号~18号 40cm~80cm |
針 |
ネムリバリ 16号~20号 |
サルカン |
パワーオヤコ 3×4から1/0×1 くらい |
ステ糸 |
8号~18号 100cm~200cm |
といった感じになります。
道糸は PEライン 6号~12号で水深・オモリ・仕掛けの針数など状況で変わります。例えば 魚場の水深が 300m後半から 500m前後 で 使用オモリが400号 なら PE12号を 1000m前後。
リールの仕様にあった号数とメーター数を準備してください。船からの指定がある場合は合わせましょう。(お祭りの軽減の為に 船によっては指定している船もあります)
糸巻き量は 「釣り場の水深の最深部 × 2倍」くらいを 目安とされることをお勧めします。 「高切れ」して、ラインが足りなくなっては釣りはできません。道糸・仕掛けのヨリトリには、ミヤマエ他各種あります。
スナップ付き/ベアリング入りサルカン 10号位前後 1つでも十分にヨリは取れます。リング付きは ヨリトリのほかに、船上での仕掛けの管理・投入・引き上げ の利便性もあります。 お好みのヨリトリを使ってください。
集魚灯は、魚種により、条件により その効果が変わってきます。また「効果があるのは対象魚だけではない」 ということも、忘れてはなりません。
サメとかバラムツなどにも効果が出てしまいます。よって、使い分けが必要となります。 釣り場の条件に適するタイプを選びましょう。
水中ライトは 適応できる水深があるのでに注意しましょう。
昔からあるミヤマエのフラッシュカプセルは実績があるのでお勧めです。
オモリは浅場のクロムツ釣りには 120号前後、深場の場合は400号前後 が使われます。根係りで失う場合が多いので、予備を複数用意してください。釣り場の状況を確認して準備しましょう。
最近では、従来の鉛のほかに鉄筋を使った錘も販売されています。鉄筋の場合 比重の違いで 形状が変わってきます。鉛よりも長いモノが多く、投入後の降下位置が鉛とは違ってしまう場合があるので注意が必要です。
中錘も必要な場合があります。40号から100号くらいまでを使い分けるのですが、仕掛けのバランスを大きく左右するのでビギナーさんは中間錘は <付けるなら付ける 付けないなら付けない> で統一して釣行した方が仕掛けバランスを想定(想像)しやすいかも知れません。
お多福型のような平らな面のあるオモリが転がらないので使い勝手が良いです。


ナイフは魚を〆るなどに使いますが、家庭用の包丁のような薄刃ではなく、 出刃包丁の様に 刃の厚いしっかりしたものでないと刃が折れるなどして揺れる船上では危険です。
ラジペンは針をはずしたり、金具の変形を治したりに使います。 錆び難いステンレスのものが長持ちします。
ハサミは お祭りなどの時 糸を切ったり、毒魚の針を落としたり に使います。 指穴の大きな 植木バサミ や キッチンバサミ も重宝します。 また 仕掛けの管理だけなら事務用のハサミでも十分使えます。
いずれも 使用後はしっかり水洗いして、 油分をつけて手入れしましょう。
クロムツの釣り方
ここでは 底モノ・五目釣りのターゲットの一つとしてとらえて、深海・中深海釣りを紹介します。
遊漁船には 右舷を使う船 左舷を使う船 両舷を使う船 があるので 初めての場合は 船長の指示に従ってください。図は セッティングの一例になります。 ようするに 投入できる体勢です。現場へ到着したら、この体勢で投入の合図を
待てるようにします。
忘れやすいのが 尻手です。 必ず リールまたはロッドから1本 と ロッドキーパーから1本の 2本を付けることをお勧めします。
また 手の届くところに ハサミ・ペンチ・予備の仕掛け・オモリ などを置いておくと都合が良いです。身の回りのスペースを上手く使ってください。
クロムツ釣りの餌には、サバなどの短冊・ シコイワシなどが使われます。大きさは、ちょうど<タバコ の ショート>くらいが適当ですが、クロムツの大きさや喰い方で幅や長さを加減します。
針数が少ない時には、ポイントに到着してから餌をつけても十分間に合います。短冊餌は、端にチョンガケしてください。シコイワシなどの一匹がけは、口の先に、あごから上あごに向けてチョンガケします。
雑につけると 海中で回って 著しく喰わなくなります。
まず リールの電源の確認をしてください。 電源が入っていなければ 電源を入れてください。船べり設定・ゼロ設定もお忘れなく!
仕掛けの絡みが無いか確認しておいてください。オモリをもって船長の合図で投入します。
投入後 着底を待ちます。 スプールが止まって 道糸がフケたら 着底です。クラッチを入れて リールを巻き 道糸のフケをとって アタリを待ちます。基本的な釣り方は、 トントン釣り (オモリが 着底したり 浮き上がったり を繰り返している状態) ですが、 オモリを浮かせて釣り場合、あるいは 同じ トントン釣りでも 着底している時間を 長く取って 釣る場合など 釣り場の 状態・海況・船長の流し方 などで変わってきます。
* その辺りの微妙な さじ加減 が 釣果を左右する場合があります。
適当な間隔で 底の取り直し をするなどして、 水深の変化に 合わせて 仕掛けを上げ下げします。
棚の取り直しは、 起伏の変化 潮流に よって その頻度は まちまち です。 状況に応じて あわせてください。
クロムツは 斜面中腹の テラス状になったところ や 斜面を上がりきったところ などでよくあたってきます。
アタリは 明確に 「グングングン」 と 出て、 結構いつまでも 暴れています。1尾かかったら 追い食いを 待って数を稼ぎたいところですが、ご存知のように、するどい歯を持った魚で且つ暴れる魚です。追い食いを待つ時間は ほどほどに 巻き上げに入った方が無難な場合があります。
巻き上げスピードは 低速気味で ドラグは緩め が鉄則ですが、あまり ゆっくり過ぎるのは かえって バレ易くなります。
いよいよ取り込みです。クロムツは水面でバレると逃げていってしまいます。お互いに協力できる状態のときはタモ入れを協力し合いましょう。タモ入れはキンメ釣りの要領です。海面から抜き上げる時、タモをクロムツの下に添えます。
* 針が 外れて落ちた時に、タモに入る様に添える感じです。
魚の処理の前に、深海釣りの様に 順次投入・一斉巻き上げ の場合を除いては、次の投入ができる場合があります。 次の投入が出来るようなら次の投入を急ぎましょう。
クロムツは群れで居ます。すぐさま投入すれば、次が来る可能性が高いからです。次の投入ができた場合、着低まで若干時間がありますから、この時に魚の処理をします。
タイミングで潮のぼり(船が移動する)が近い時は投入はできません。移動が近い時は 先に魚を処理して、次の投入準備をしておいてください。 都度 船長に投入可能かどうかを 確認するほうが 余計な動きをしなくてすみます。
お刺身など 生状態で食べる分については〆めて血抜きすることをお勧めします。
下図のように背中を自分に向ければやりやすいです。エラ から ナイフを入れ 背骨を絶ち 尾びれの付け根にもナイフを入れます。 ドロッ とした 血が出れば 完璧です。
しばらく バケツなどに浮かべて血を出してから氷と海水を入れたクーラーに収めます。
クロムツの食べ方
クロムツは 柔らかい白身の魚です。また 大変脂が強く煮付けにされる場合が多いです。もちろん お鍋・お刺身・炙りなどでも 大変美味しく頂けます。クロムツは比較的通年通して脂が乗っていますが、特においしいのは産卵前の冬から春です。
クロムツのお刺身
脂の乗った クロムツのお刺身です。あまりに 脂が乗っているので 食べすぎ注意でが、好きな人には この <脂こってり> が たまりません。
皮つきの炙りも絶品です。お刺身とは違った 食感があり 香ばしさが更に旨味を引き立てます。
クロムツの煮付け
クロムツといえば 定番は煮付け。 クロムツの大きさにもよりますが、アカムツより さらに脂が強く 甘めに煮付けると、 大変おいしいくいただけます。左 写真は 上が クロムツ (下はアカムツ)